アドセンス

2020年12月12日土曜日

死神の精度

 このブログも、ちょっと立ち止まってしまいました。


この間、本を読んでいなかったわけでもなく、紹介したい本がなかったわけでもないのですが・・・


紹介分をかく間がなかった・・・というのが正直な理由。


ちょっと本業が忙しかったものでね。


でも、ようやくひと段落着いたので、そろそろ、次の本をご紹介したいと思い、ペンをとりました・・いや、間違え、キーボードをたたきました。


さて・・・


今回ご紹介する本は・・・


あまり愉快なテーマではないのですがね。


その本のタイトルは・・・


「死神の精度」


なに???


それ???


と思うようなタイトルですよね。


この本、タイトルのように、人の死に関わる、あの死神様のお話しです。







ちょっと変わった死神


死神というと、この神様に取りつかれてしまうと死んでしまうという怖い神様(?)をイメージしませんか?


そう・・・


大きなカマを持って、暗い影からそっと現れて・・・


その大ガマで首を切られてしまう・・・というようなイメージではないでしょうか。


すくなからず、私の中では、そんな怖いイメージがありました。


しかし・・・


実は、この死神様も、本によって色々なキャラクターというかイメージというかがあるのを最近知りました。


ある本にでてくる死神は、本当に神様の末弟で、人を殺して黄泉の世界に連れていくのではなくて、死が決まった人の最後を見取る神様なんですよね。


けっして怖い存在ではなくて、悲しい現実を受け止め、この世から黄泉の国へ行く人を安心して導いてくれる神様としていらっしゃるんですよ。


そんな表現をしている本があり、ちょっと死神様のイメージが変わったとロコで、この「死神の精度」を読んだら・・・


またまた違った死神様でした・・・この本に出てくる死神様は・・・。


この本に出てくる死神様は・・・


1.CDショップにいりびたり。

2.苗字が、私達がよく耳にするような市や町の名前。

3.受け答えが微妙にずれている。

4.素手で他人を触ろうとしない。


こんな特徴を持つ方なんです。


あなたの周りに、思い当たるような方はいませんか?


もしいたとりたら・・・その方は、死神化もしれませんよ!



死の判定人








この「死神の精度」にでてくる死神様は、やはり怖い存在ではくて、ちょっとゆーものある存在なんです。


そして、けっせて人を殺めたりはしません。


この死神様の役目は・・・


この人は、死を与えていいか悪いかを判断する「死の判定人」なんです。


あの世のあるセクションで、人の人生の長さは決められているようです。


というか、要するに、その人がいつ死ぬのかが決まっているようなんですね・・・あの世では。


そして、その死の予定日(?)の8日前に、その予定の人の近くに、何らかの理由を講じて、この死神様はやってきます。


実際に、昼間でも夜でも、その死神様は、その人や周りの人から見えるんです。


ただし・・・


死神には見えません。


普通の人に見えるんです。


といっても、先の1~4に挙げたような特性を持っているのですから、ちょっと変わった人という感じで見えるとは思いますけどね。


その死神様は、その死を予定されている方(死に方はそれぞれで、病気・事故・その他色々な死の迎え方があるものの、その人が今回予定通り死を迎えるべき人なのかそうでないかを判断しているんだそうです。


7日間、その方のそばでその人を観察し、予定通り死を迎えていただいてよいかどうか判定するんだそうです。


そして、死神様が「予定通りで可」と判定すると、その人は、翌日死を迎えるんです。


しかし・・・


死神様が、「いや、まだ死を迎えるには早い」と判定すると、その人の死に対する予定が変わるんですよ。


ただし、死神様は、基本「予定通りで問題なし」と判定します。


なぜならば、その人がその時に死を迎えようと、そうでなかろうと、死神様にはあまり関係がないんですよね。


だから、特に思うことがなければ「問題なし」と判定して、死は予定通りに無あけられるとなるわけです。


でも・・・・


この「死神の制度」は、短編集的で、短いお話がいくつか入っているんですが、その中の大半のお話は、死神様が「問題なし」と判定するんですけれど、まれに・・・まれに、「まだ早い」と判定し、その人の運命が変わることもあります。


どのお話が、それに当たるのかは、読んでくださればわかりますが・・・


ただし、このお話の中では、決してむごい死とかが訪れるわけではなく、生々しい描写がたくさん出てくることもありません。


そういう意味では、「死」とテーマにした作品なんですが、読みやすいストーリーで、ところどころにユーモアも含まれていて、ニヤ!っとしてしまう場面もあります。



死神は音楽が大好き


この死神様は、「死」に対する調査の仕事(?)は入らないと、この人間社会には出てこれないんです。


で・・・


なぜか、死神様の多くは、人間社会の“音楽”に興味を持っていて、CDショップの視聴コーナーにいることが多いそうです。


このお話の中でも、調査をしている時間以外は、この主人公となる死神様も、いつもCDの視聴コーナーにいます。


そして、そこで、他の死神様と出会うことがしょっちゅうあるとか記されています。


こn調査のお仕事をする時の、最大の楽しみと興味は、“音楽”なんだそうです。


そんなところも、このお話に出てくる死神様の憎めないところかと思っています。


おぞましい「死」とは、ちょっと違った支店で描かれている人間の「死」を、死神様を通して描かれているこの「死神の精度」。


伊坂幸太郎さんの作品で、








文集文庫から販売されています。








趣味が悪い!!!・・・なんて思わずに、もし興味を持っていただけたら、是非読んでみてください。







2020年11月18日水曜日

侠飯(おとこめし)

 さてさて・・・・


今回ご紹介するのは・・・・


福澤徹三さんの作品で、




「侠飯(おとこめし)」です。










え????


「侠飯(おとこめし)」???


なにそれ???


って思うようなタイトルですよね。


でも、このタイトルこと、この物語のベースを物語っているのです。








ヤクザ(?)なコンビ


今回ご紹介するこの「侠飯(おとこめし)」の主役は、度見てもヤクザにしか見えない二人組み。


親分(?)の柳刃とその子分(?)の火野の二人組み。


この親分(?)の柳刃は、切れ長の目で眼光が鋭く、鼻筋が通った端正な顔だが、ほほに深い傷跡があった。


もう、見るからヤクザやさん。


そして、子分(?)の火野は、痩せた長髪。


このコンビが、この作品の中では大事な役目をしている。


が・・・・


この二人・・・


大切な役目、重要な約なのだが、主役ではないんです。


しいて言うなら、準主役かな?


この「侠飯(おとこめし)」はシリーズ化されていて、3作まで出されていますが、それぞれ完結のストーリーとなっているんです。


そして、それぞれに主役がいるんですよ。



就活中の大学生


第1作目の主枠は、就職活動中の大学生。











ある日、ヤクザの抗争に巻き込まれると頃~、この話は始まります。


自宅に帰宅著中で、ヤクザの抗争に巻き込まれた主人公の若水良太。


その良太の部屋に、この抗争の片割れである柳刃と火野が転がり込んできます。


ヤクザに部屋を占領されたから、もう大変。


しかし・・・このヤクザ???


ちょっと変わっている。


まず、このヤクザの柳刃はお取り寄せが趣味で、料理がめちゃくちゃうまい。


部屋の持ち主である若水良太に、毎日食材を取り寄せては食事を作ってくれるんです。


ヤクザに居座られて、若水良太は、恐怖半分、美味に喜びが・・・もう、頭の中は大混乱。


そこへ、大学の同級生も加わって、自体は予想外の方向へ・・・。




28歳 独身サラリーマン


第2作目は、28歳の、情報サービス企業に勤める独身サラリーマンの真鍋順平が主役。










ある日突然、“追い出し部屋”に配置転換されたサラリーマンの真鍋順平が、会社の中での苦悩を抱える日々を過ごすんです。


そんなある日、ランチワゴンの、すごく旨い昼飯に出会うんです。


そのランチワゴンを経営しているのが・・・どう見ても堅気には見えない・・・


そうです。


1作目にも出てきました準主役の柳刃と火野のやくざコンビ。


今回は、ここ情報サービス企業を舞台に、このコンビがどのように立ち回るのかがお楽しみ。


そして、この主人公である真鍋順平はどうなってしまうのか・・・・。


1作目とは、一味違った展開と、スリルに満ちたストーリーに、目が離せなくなります。


この柳刃と火野のコンビは、一体何者なのか???


任侠とグルメという、新しいジャンルを切り開いた当作品の行方は・・・・!!!




やみ金業者の店長


そして、3作目の主人公は、あるやみ金業者の店長として務める渋川琢磨・27歳。










このやみ金業者の店長が、ある日、「ヤクザの組長宅を地上げせよ!」といういう指令を受け、組に潜入するが・・・・。


成り行きで、なぜか行儀見習いとして住み込む羽目になってしまいます。


そこに現れたのが・・・


そうです。


どこから見てもヤクザそのもの。


まさにその人・・・柳刃と火野の名コンビ。


なぜ、「名コンビ」なのかは、読んでもらえばわかります。


とにかく、このコンビがこの話のキモとなりますから。


この柳刃・・・


ここ、ヤクザの組長宅でも、客人として招かれているのに・・・


なぜか、次々と絶品料理を作ります。


これが、任侠グルメの醍醐味。


料理がなければグルメじゃない!!!


しかし・・・


このコンビは何者???


そして、琢磨の地上げはどうなるの????


それは読んでのお楽しみ。



シリーズものだけれど・・・


この「侠飯(おとこめし)」は、3作のシリーズものですが、1作ずつ話しが完結しているので、どの話から読んでも全く問題なく読み進めることができます。。


しかし・・・


1作目から、微妙なところで、各シリーズが繋がっていくので、1ッ作目から読み続けていくと、楽しさが倍増するという代物。



そして、この「名コンビ」の正体がわかっても、これからこのコンビが、どう展開させていくのかを考えると、もう読まずにはいられなくなっています。


任侠物で、ちょっとだけ、はらはらするところもありますが、ストーリー的には、ほんわかした雰囲気もあり、またユーモアもあふれているので、楽しく読める作品です。


切った張ったの任侠ドラマとは一味も二味も違った展開ですので、ヤクザ物は・・・という方にも、楽しんで読んでいただける作品に仕上がっています。


是非、寒空の夜、暖かいお部屋で、任侠グルメ「侠飯(おとこめし)」を楽しんでみてください。


おすすめですよ!




















2020年11月12日木曜日

クッキング・ママの真犯人

 今回は、外国物の推理小説をご紹介します。


それは・・・

ダイアン・デヴィッドソンさんの書いているクッキング・ママシリーズの第8弾!





「クッキング・ママの真犯人」です。











訳が加藤洋子さんの作品です。

シリーズ物なのに、いきなり第8作からですみません。


実は、私も、この前の第7作目から読み始めたんですよ。


図書館のリサイクル文庫にあったものをもらってきて読んでみたんです。


外国物はあまり得意でなくて、今まであまり読んでいないんですが、今回はただで本がもらえたので、試しに読んでみたんですよ。


そしてら、意外と面白かったんです。


なので、今回ご紹介しようかなと思いました。


先に呼んだ第7作目は、また今度ご紹介しますね。










ケータラー・ママの探偵者





この「クッキング・ママ」シリーズの主役は、ケータリング業を生業としている主婦ゴルディさんなんです。


前夫と分かれた後、料理のケータリングサービス(通称ケータラーというそうです。)を生業として子供を育てている主婦。


現在(この本の時)には、警察官お男性と再婚をして、幸せに暮らしているんですが・・・・


なぜか、このゴルディさんの周りで、いつも事件が起こるんです。


そして、今回も、ゴルディさんが死体を発見すると頃から、この物語は始まります。









素人探偵





ゴルディさんのまわりで起こる事件。


自分にも、深く関わっているので、興味津々。


ご主人は警察官なので、警察の情報をもらいながら、自分でもその事件に首を突っ込んでいくんです。


ご主人は、そんな奥様に、いつもはらはらドキドキ。


しかし・・・・


このゴルディさん・・・


名探偵ではないんですよ。


明智小五郎やシャロックホームズ、又は金田一幸助のような名探偵ではないんです。


いわば・・・


素人探偵さん。


だから、特別な推理力もないし、洞察力に優れているわけでもない。


特別な特技があるわけでもない。


普通の主婦です。


なのに・・・・


事件に首を突っ込んでしまうんです。


だから、このシリーズは、なかなか話が事件解決に向けて進んでいかないのが特徴かもしれません。


謎が謎を呼び・・・ではなくて、謎がすぐには解けないんですよ。


色々な情報が入ってきても、謎が深まるばかりで、全く進展していかないんですよ。


そして、新たな事件が起こり・・・


そんなまどろっこしさを感じるストーリーなんです。


だから、名探偵の出てくる推理小説って、自分も一緒になって犯人を探しているくんですが(私の場合はですよ・・・。)、この「クッキング・ママ」シリーズでは、いつも推理しようがないんですよ。


推理する為の情報が空かれされてこないので。


まだ、私は、第7作目と第8作目の2冊しか読んでいないので、全部のお話がそうだとは言い切れませんが・・・。


この2冊に関しては、読んでいて、最後の最後のところで謎が解明され・・・と、そこまでじらされるんですよ。


だからかな・・・・最後まで読まないとスッキリしなくて、ついつい時間を作って読んでしまうんです。


これも、表現テクニックの一つなのかな???







外国の作品





私は、先に書いたように、外国の作品は、あまり好んで読まないんですよ。


ま、まった区呼んだことがないわけではないですが・・・。


外国の作品って、日本の作品のような繊細さにかけているような気がするんです。


もちろん、全ての外国作品を読んだわけではないので、断言はできませんが。


それに、外国の作品は、訳す方の個性もでてくるので、作者のカラーだけではないんですよね。


推理小説ではないですが、ファンタジー系の作品では、外国物をいくつか読んでいます。


ファンタジー系では、逆に、日本の作品よりも、外国の作品の方が壮大なスケールに感じるからなんです。


たとえば、「ハリーポッター」や「バーテミアス」「ゲド戦記」も外国物かな???


あたりは、特に好きな作品ですけどね。


けれど、推理小説に関しては、私は日本の作品の方が好きなんですね。


描写が繊細だし、風景だけでなく心理描写や話の展開も繊細に作られているなと感じるから。


けれど・・・


この」「クッキング・ママ」に関して言えば、かえって、その大雑把な表現が面白さを出しているのかもしれないなと思いました。


だから、最後まで、気が抜けずに、読みふけってしまいましたから。








「クッキン・ママの真犯人」



今回読んだ、第8作目の「クッキン・ママの真犯人」は、順調に走り出したケータラーとしての仕事に、ライバル出現。


ライバルと言うよりも邪魔者かもしれない。


そのライバルと、仕事をめぐって争わなければならなくなります。


それに加えて、ご主人の停職などなど・・・ゴルディの周りでトラブル続き。


そして、殺人事件が・・・・。


大切な友人までも殺されてしまったゴルディ。


周りの言葉には耳も貸さずに、今回も事件解決のために動き回ります。



けれど・・・思うように、事件は解決していかない。


そこに加えて、新たな事件が・・・・。


もう、謎が深まるばかりの中で、ゴルディは、どうやって事件を解決するのか・・・。


ここでポイントになるのが、先に述べたように、ゴルディは名探偵ではないんです。


だから事件は思わぬ方向に進んでいきます。


そして、ゴルディの身に危険が・・・・。



この先を知りたい方は、是非この「クッキング・ママの真犯人」を手にしてみてください。


一作目から読まなくても、話は充分伝わりますから大丈夫です。


けれど、このシリーズに興味を持たれた方は、もちろん1作目から読んでみると、色々な話のつながりがあるんどえ、より深く読み進めることが出切ると思います。


是非、興味のある方は、読んでみてくださいね。







2020年10月22日木曜日

小暮荘物語

 今回ご紹介するお話は・・・・

三浦しをんさん作の、「小暮荘物語」です。










三浦しをんさんの作品は、私も好きで、よく読むんです。










三浦しをんさんの作品と言えば、きっとみんさんも思い浮かべるのが、「まほろ駅前シリーズ」ではないでしょうか。

映画化もされているので、これも、本では読んでいないけれど、映画を見たよ・・・って方も多いと思います。

その「まほろ駅前シリーズ」の第一作目である「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞も受賞されている作家さんです。

私も、「まほろ駅前シリーズ」読みましたが、あれも面白かったな。

ま、「まほろ駅前シリーズ」は、また今度ご紹介させていただきますが、機会があれば是非読んでみてくださいね。

映画もDVD化されていますので、もし活字はちょっと・・・・と言う方は、是非映像でお楽しみください。

で・・・・

今回は、この「まほろ駅前シリーズ」ではなくて、「小暮荘物語」っていう作品をご紹介しますね。


短編で読みやすい作品

今回、「まほり駅前シリーズ」が面白いよ・・・・って言いながらも、、その「まほろ駅前シリーズ」ではなくて、この「小暮荘物語」をご紹介するのは、この作品が、短編小説になっているからなんです。

「まほろ駅前シリーズ」は、どれも長編で、活字に慣れていない方には、読むのにかなり気合が必要になるかもしれません。

もちろん、その作品の世界にのめりこめれば、長編小説でも、あっと言う間に読み終えてしまうんですけど。

しかし、この「小暮荘物語」は、短編小説なので、あまり気合を入れなくても読みやすいんですよね。

しかも・・・

一話一話は転変仕上げなんですが、それぞれのお話しが絶妙に絡み合っていて、全部読み終えると、一つの長編小説を読み終えたような充実感も得られる作品になっているんです。

ですから、活字慣れしていない方でも読みやすいし、読んだという満足感もえられるという作品になっていると思います。


様々な人間模様・・・・そして“愛”


この物語は、先にも記した用に、6話の短編小説になっています。








その一話一話に、それぞれ主人公がいますが、その主人公が、この小暮荘で暮らす住人か、関係の深い人なんです。

そして、大家さんを含めた住人や関係者のそれぞれの人間模様が描かれています。

老大家の小暮、女子大生の光子、サラリーマンの神埼、花屋の定員の繭。








人それぞれ、色々な背景を持って生きているんですよね。

でも、それぞれの生き方があり、思いがあり、願いがある中で、一生懸命生きている。

その姿が美しい。

もちろん、ほめられるような人生ばかりを送っている人ばかりではないですが・・・・ね。

築ウン十年のおんぼろ(?)アパート小暮荘。

全6室で、住人は4人(2部屋空室)

こんな狭い世界でも、その暮らしぶりは様々で、それぞれのドラマがあるんですよね。

そして。住人同士が絡み合い、時には離れ、時には寄り添いながら暮らしている。

そんな世界を描いているのがこの作品なんです。

そして・・・・

この作品の求めるところ・・・・それは・・・・「愛」でしょう。

「愛」にも、色々な形があります。

恋人同士の「愛」もあれば、親子の「愛」もあるでしょうし。

友人としての「愛」もあるかもしれない。

ただ見つめているだけの「愛」もあるでしょうし、奪い取るような「愛」ももちろんあると思います。

そのほかにも、その形は千差万別。

いや、きまった形のないのが「愛」なのかもしれません。

そんな「愛」について、この作品は考えさせてくれるようなお話です。

笑いあり、涙あり、怒りあり、挫折あり・・・・

時には優しく、時には厳しく・・・・

時には微笑みあい、時には怒りを爆発させて・・・・

そしてたどり着く、それぞれの「愛」を見つけて行く様が描かれていると感じられます。

コミカルに描かれていて、先に記した「まほろ駅前シリーズ」のようなシリアスで現実的な世界ではなく、どこか空想的であり、ファンタジーにも似た世界観が広がっているんです。

でも・・・・

もしかしたら、こんなアパートが、本当にどこかにあるかもしれないね・・・と思わせてくれるような描写。

三浦しをんさんの世界観の広さに驚かされてばかりです。

もちろん、このような作風が、三浦しをんさんのすべてではありません。

もっとシリアスで現実的な描写力もあり、もっと別の世界観も表現された作品もあります。

しかし、この「小暮荘物語」は、そんな三浦しをんさんの世界に触れるきっかけとしては、とても読みやすくて、入りやすい作品だと思います。

活字があまり得意でないという方にも、是非手にして頂きたい作品です。

ちなみに・・・・

あの小泉今日子さんも、この「木暮荘物語」をよんで、「この物語がとっても好きだ・・・」と、読んだ感想を書かれているそうです。













2020年10月21日水曜日

会津高原殺人事件

 今回ご紹介する本は・・・・

ジャジャーン!!!

私のメイン分野(?なんのこと???)になります、サスペンスです。

しかも・・・・

私の大好きな西村京太郎さんの書いた「会津高原殺人事件」です。










西村京太郎さんと言えば、言わずと知れたサスペンス界の巨匠。










もう長年にわたり、サスペンス小説の世界で第一線を走り続けている作家さんですね。

特に、トラベルミステリーと言われる、電車などが舞台となるサスペンス小説が得意で、その中でも、電車を使ったアリバイトリックが超有名ですよね。

私も、若いころは、毎日電車で1時間くらいかけて通勤していたので、電車の中でよく本を読んでいたのですが、その時に、この西村京太郎さんンお作品は、本当によく読みましたよ。

話の展開がスピーディーで、長編小説でも一気に読めてしまうような、そんな話の作り方も、たくさんの方に支持されているところかと思います。

私も、この方の作品は何冊読んだか覚えていないほど読んできました。

そして、かならずと言っていいほど、読み終えた後、旅に出たくなるんですよ。

そのくらい、情景描写も上手で、自分が一緒に旅に出ているような錯覚すら覚えるほどなんです。

そんな、西村京太郎さんの作品を、先日読み終えたので、今回は、この「会津高原殺人事件」をご紹介したいと思います。











いつもと違う展開に・・・・

さてさて・・・・

先にも記載させていただきましたが、西村京太郎さんの作品の多くは、あるパターン的な展開がされていると思っているんです。

そのパターンとは・・・

事件が起きる → 捜査を開始する → 犯人が浮かび上がる → 証拠を探す → アリバイがあり、犯人と断定できない → アリバイ崩し → 犯人逮捕

みたいな感じかな。

西村京太郎さんの一番の特徴は、やはりアリバイ工作の巧みさにあると思っています。

毎回毎回、よくこれだけのアリバイを考え出せるなと、いつも感心してしまうんですよ。

それが、電車を使ったトリックだったり、飛行機だったり・・・

わりと乗り物がらみが多いかな。

だから、そのアリバイ崩しを、自分も一緒になって考えるのが、西村京太郎さんの作品を読む上での楽しみの一つだと思っています。

が・・・

この「会津高原殺人事件」は、ちょっといつもとは趣の違う展開になっていました。

まず、この話は、西村京太郎さんの作品の中でも、一番多い、警視庁捜査一課の敏腕刑事である十津川警部が主役のシリーズものです。

私も、この十津川警部のシリーズが一番すきです。

読んでいても、一番安心して読んでいられるんですよ。

この人に任せておけば大丈夫・・・って思える人なんです。

この「会津高原殺人事件」も、十津川警部の活躍により、事件を解決するというストーリーは変わりません。

その他の出演も、十津川警部の一番信頼している亀井刑事や、若手の西本刑事など、いつものキャストで繰り広げられています。

しかし・・・

今回、いつもの展開と一番違うのは・・・・

犯人がだれなのか、全く見えてこないという点です。

先にも書かせていただいたように、西村氏の作品の多くは、割と早い時点で犯人の目星がついてきて、しかしアリバイがあり、犯人と断定できない・・・。

そして、アリバイを崩す・・・という流れなんですが、今回は、本当に終盤まで、だれが犯人なのかわからない状態で話が進んでいきました。

しかも、事件の背景もよくわからない・・・謎の多い事件・・・と言う感じの展開でした。

しかし、だからと言って、まどろっこしい話の展開にはなっていないので、いつものようにとても読みやすいんですけどね。


一つの事件が次の事件を・・・・


今回は、記憶喪失になった、一人の男性の出現から、話が進んでいきます。








その男性は、返り血を浴びたような服装で、都内の公園に倒れているところを、警邏中の警官に見つけられ、病院の運ばれます。

しかし、その男性は、突然病院から逃げ出していしまうんです。

十津川警部は、会津高原で起こった、ある事件に、この男性が関係しているのでは・・にらみ、捜査を開始しますが・・・・

その事件の真相が明らかにならないうちに、第二・第三の事件が起こります。

まったく関係ないと思われる事件の中に、会津高原と言う一つのキーワードでつながっていく関係者たち。

十津川警部と亀井刑事の名コンビが、その謎を一つひとつ解き明かそうと、捜査を続けていくうちに・・・・・

十津川警部の推理が冴える。

謎が一つひとつ解き明かされていく中で・・・・事件の真相にたどり着く!

いった、この事件は誰が仕組んだものなのか・・・・。








読み進めていくうちに、どんどん自分がのめりこんでくることがよくわかります。


会津鬼怒川線


今回の事件の舞台となったのは、会津高原と会津鬼怒川線と言うローカル電車です。

会津の地で、事件を解決していく中で、様々な名所の情景が描写されていきます。

また、会津鬼怒川線というローカルな電車の車窓風景など、今、自分が、その場所を離れて、会津の地へ旅しているかのような思いになります。

それが、このトラベル作品のもう一つの醍醐味だと思います。

私も、この本を読みながら、会津高原に一度出かけてみたいと思っています。

推理小説としての、サスペンス小説としての面白さに加え、日本各地、又は、世界各地に旅するような思いを描ける楽しさ等、西村京太郎の作品が私達に与えてくれる楽しさは、無限大です。

読む者の、読み方、感じ方で、それぞれの楽しみ方ができるのも、西村京太郎氏の力量なのだと感じています。

是非、サスペンスに興味のある方が、その入門編として、西村京太郎さんの作品を読んでみてください。







2020年10月13日火曜日

蜜蜂と遠雷

 今回ご紹介させていただく本は、「蜜蜂と遠雷」というお話しです。











恩田陸さんの作品で、幻冬舎文庫から発売されている、上下巻の2冊ものです。











このお話も、映画化(松岡茉優さん、松坂桃季さんなどが出演)されているので、映画を見られた方もたくさんいらっしゃるかともいます。











私も、映画も見ましたが、これは、本の方が、その時々のその人の心理描写がよく表れていて、おもしろかったですよ。


この話は、若きピアニスト達の、あるコンクール通しておこる様々な思いを描いた作品なんです。


音楽が趣味の私に、書店で働く娘が、初めて選んでくれた作品なんです。



それぞれが主人公


このお話しで主人公となるのは・・・・


一人目が、自宅に楽器を持たない16歳の少年。


実は、からがとてつもない才能の持ち主で、自分のピアノを持っていないのに、素晴らしい演奏をするんです。


また、この少年は、楽器を持っていないのに、伝説のピアニストに師事していて・・・


そのピアニストは、めったに弟子をとらないのに、この少年の才能を見つけ、特別な方法で指導していくんですね。


その少年の環境に、周りの人のひがみや妬みがからまり、様々な思いが駆け巡るんです。


そして、二人目が、天才少女として華々しくデビューをしたのに、母の死をきっかけにピアノが弾けなくなり、音楽の世界から遠ざかっていた20才の女性ピアニスト。


このコンクールを通して、母の死と向かい合い、そして乗り越えていく姿。


そして、新たな自分を見つけ、より羽ばたき始めるきっかけとなるんです。


三人目が楽器店勤務のサラリーマンぽアニスト。


コンクール出場は、年齢的にもこれが最後と言われ、自分が特別な才能を持ち合わせていたい事は築いているけれど、それでもこれであきらめて、音楽の世界から離れるしかない現実を受け止めきれず、最後のチャンスと思い応募。


地道な努力の中で、確実に力をつけ、一歩一歩会談を上る姿は、多くの人に感動を与えるのではないでしょうか。


かくいう、私も、特別な斎野は持ち合わせていないのですが、それでも音楽が好きで、プロではなくても、ミュージシャンとしての活動を、これからもしていきたいと思ています。


そんな私へのエールのようにも思えました。


そして、このワラリーマンピアニストが、今クルーをとして、決断した未来とは・・・・。


最後の主人公は、才能あふれる若き天才ピアニスト。


高い技術と音楽性を持ち合わせ、今回のコンクールの最有力候補とうたわれるほどの逸材。


この青年のピアノを始めるきっかけにもドラマがあったんです。


これらの4人の主人公と、彼らが師事する指導者、そして、音楽に関わるたくさんの関係者の様々な思いが、このコンクールを通して描かれているんです。




最高峰のコンクール


このコンクールは、近年、その覇者が音楽界の寵児となる・・・と言われるほど、世界的に注目を集めているコンクールで、若きピアニストの登竜門ともなっているんです。


それだけに、主人公の4人だけでなく、このコンクールに参加したすべてのピアニストが、たくさんの熱い思いを胸に抱えて出場しているのです。


その、それぞれの思いが、この話の随所に現れていて、プロを目指す音楽家の思いが、暑く描かれている作品なんです。


そこが、この作品の素晴らしいところで、主人公が当然メインで描かれているのですが、それを取り巻く出場者や、彼らを指導してきた指導者等の心の動きも描かれているんですよ。


映画だと、こういったところが、やはり時間的な制約などからだとは思いますが、あまり表現されていないので、物足りなさを感じてしまいました。



予選から本線へ


このコンクールは、第一次予選、第二次予選、第三次予選、そして本選と、それぞれに難易度の高い課題が課せられているんです。


それぞれの課題に対する取り組み方、それぞれの表現など、活字ならではの奥の深い描写は、本を読む醍醐味に通じているのではないかと思います。


独創的な表現で、いつも聴衆をおどろかせる16歳の少年。


確かな技術で、確実に聴くものの心をとらえていく若き天才ピアニスト。


譜面を読み、作曲者の思いを考えて考えて考えて・・・思い悩みながらも、自分の表現を探し続けるサラリーマンピアニスト。


そして、母の死を乗り越えることで、新たな表現を手に入れた天才少女ピアニスト。


それぞれが、環境こそ違えど、音楽に対する熱い思いは変わらず、それぞれが、自分のできることを精一杯やりつくし、それぞれの戦いに挑む姿が、目に浮かんできます。


やはり、これだけの感情や思いを表現するには、活字でなければ、伝えきれないでしう。


この本を読み、映画を見て、改めて活字の素晴らしさ・・・・


そして、表現の幅広さを感じさせられました。


映像は映像で面白いのですが、やはり、この話しに関しては、私は本で読んでいただけたらと思います。


是非、音楽に興味のある方は・・・


いえいえ・・・


音楽に、あまり関心のない方でも・・・


上巻と下巻の2冊構成ですので、読みごたえもありますが、はまるとあっという間に話が進んでいきますので、是非お手に取って、本の楽しさ、素晴らしさを体感してくださいね。






2020年10月10日土曜日

探偵ガリレオ

 今回ご紹介するのは、この本です。










「探偵ガリレオ」


東野圭吾さんの作品です。











この話は、テレビドラマにもたりましたから知っている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。


そうです。


あの福山雅治さんが主演をしたドラマです。


主役は、ある大学の物理学の研究者である湯川学。


親友の刑事である草薙俊平が、説明のつかない難事件が起こると、この物理学の研究者であり、大学の助教授である湯川学に助けを求めて訪ねていく・・・というのが、このはな新おベースとなるストーリーである。



普通の推理小説とはちょっと違う!


この「探偵ガリレオ」・・・・普通の推理小説とはちょっと違うと思います。


私も推理小説が好きで、特に西村京太郎さんや赤川次郎さん等が好きでよく読んでいます。


その他にも、いくつかの推理小説を読みましたが、その大半は、犯人を探し当てるまでの道筋が、その話の主なストーリーになっています。


だから、一つ一つ見つかっていく情報を組み合わせて、自分なりに犯人を推測していく。


また、アリバイをどう崩していくのか、自分も一緒になって考えてしまうのが、一般の推理小説の楽しみ方かと思います。


しかし・・・・


この「探偵ガリレオ」は・・・・・


この「探偵ガリレオ」は、この後続く連載ものの第一作目となっていて、このあと、湯川学が主役となるこの連載はまだまだ続いていくのです。


その一作目は短編集となっています。


短編集というのことあるのか、一般の推理小説のように、次々と犯人に使づくための証拠や情報があらわれ、一緒になって自分も推理していくという展開ではなく、犯人は、話の中で突然つかまってしまうんです。


そのプロセスはほとんどないんですよ。


この「探偵ガリレオ」は、先にも書いたように、事件の中に不思議な現象がからなずあらわれるんです。


そして、その不思議な現象を解明するのが、この話しの主軸なんです。


それはそうですよね。


主人公が、刑事でも探偵でもない、大学の助教授なんですから。


この助教授は、犯人逮捕に魅力を感じて手を貸すのではなく、不思議な現象に興味をひかれて、その現象を解明するために手を貸すんです。


この点が、いわゆる普通の推理小説とは違うところかと思います。


なので、通常の推理小説のような展開を求める人には、ちょっと物足りなさもあるかと思われます。


しかし、一話一話が本当に短い(短編集だから当たり前ですが・・・)ので、本にあまり親しんでいない人にも読みやすいと思います。


また、推理小説はあまり得意ではない・・・と言う方にも、楽しめる内容かと思います。




テレビドラマと見比べてみると・・・


この話は、先にも書いたように、福山雅治さんが主役を務めたテレビドラマ化されているんです。


ですから、テレビの方がいいよ・・・と言う方もたくさんいらっしゃるかと思います。


確かにテレビの方が、この話しの展開としてはわかりやすいかもしれません。


特に、物理学の実験なんてところは、文字でかかれても理解しづらいかなって気もします。


その点で、テレビの方が受け入れやすいかも・・・です。


が、それでも、私は本を読んでもらうことをお勧めします。


やはり、活字から得られる想像が、本を読む最大の楽しみだと思います。


テレビ画面から得られる情報からでは、その画面をそのまま受け入れることしかできません。


逆に言えば、テレビは想像する必要がないということですよね。


それが楽だし、わかりやすいのだと思いますが、しかし、活字から得られるような微妙なニアンスを感じ取ることが難しいのではないでしょうか。


活字ならこそ、この微妙なニアンスを感じ、想像し、自分の脳裏にその絵を自分で描いていく。


それが本の楽しさだと思います。


だからこそ・・・・


テレビではなく、本を読んでほしいんです。




短編5話


「探偵ガリレオ」第一作目は、5編からなる短編集です。


それぞれ、不思議な出来事が起こります。











一話目は、人の頭が突然燃え出します。


二話目は、池に浮かんだデスマスク・・・。


三話目が、心臓だけ腐った男の死体。


四話目は、突然海の中で上がった火柱。


そして、最後の五話目は幽体離脱。


これらの不思議を、若き物理学者・海川学が、謎解いていくんです。


どれも、不思議な現象ばかり。


しかし、若き物理学者は、それを科学の力で解明していくのです。


不思議なことも、実は怪奇現象でもなんでもなく、全てか理論的に解明されていくのが、この「探偵ガリレオ」なんです。


だから、このお話の中には、怪奇現象も超常現象も、そのような現象が起きる原因を、若き物理学者・湯川学が解明してくれるんですよ。



推理小説ファンはもちろん、物理に、科学に興味のある方も、もちろん楽しんでいただける本だと思います。


興味のある方、関心のある方は、是非読んでみて下さいね。




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