時は明治・・・・
町には、鬼が人を襲い、その被害が広がる一方でありました。
実は、数百年前から人と尾にとの争いは続いていたのです。
そして、この鬼を退治するために組織されたのが「鬼殺隊」なんです。
もちろん、この「鬼殺隊」は、国が認めた公の団体ではありません。
いわゆる民間団体なんです。
しかし、この「鬼殺隊」の隊員は、特殊な呼吸法で、通常の人よりも高い身体機能を持ち、優れた剣術で鬼を退治していきます。
しかし・・
鬼は、首を切らない限り、どんなに刀で切りつけても死にません。
いえ、すぐにその傷も癒えてしまいます。
しかし、「鬼殺隊」は、優れた能力を持っても、人間であることには変わりありません。
鬼から受けた傷は、すぐには癒えません。
この鬼と「鬼殺隊」との戦いは、数百年間続いていたのです。
そして、舞台となる明治の時代に・・・・
鬼によって殺された家族の悲しみを胸に、たった一人残った妹も鬼と化してしまった主人公・竈門炭治郎は、妹を元の人間に戻す為に、鬼と闘う決意をしました。
そして、厳しい修行を経て、特殊な呼吸法を身につけ、習った剣術で鬼に立ち向かいます。
しかし、まだまだ未熟な竈門炭治郎は、鬼に苦しめられながらも、素晴らしい速さでその能力が開花され、鬼と戦うごとに能力が高まり、より強い鬼へと向っていくのです。
それと、竈門炭治郎を助ける素晴らしい仲間との絆。
鬼にされても、人の命を守る妹・・・・
そして、「鬼殺隊」の中でも特に優れた能力を持つ“柱”と呼ばれる人達に支えられ、鍛えられて、厳しい戦いを乗り越えていきます。
そして、この鬼の親玉との戦いが・・・・。
と、ストーリー的には、正義の味方が、苦戦しながらも悪を倒していくような展開なんですが、この話を是非多くの方に読んでいただきたいと私が思ったのは、この物語には、鬼にも人にも、その裏の物語があるということに着目しているお話だからなんです。
悪役の鬼達も、実は鬼になるまでに、それはそれは切ない人生を歩んでいたんです。
だからといって、鬼になって、人を苦しめることが正当化されるわけではないことをこの物語では語っていますが、どの鬼達も、実は、もともとは普通の人間であり、苦しみの中から鬼になっていくストーリーも描かれているんですよ。
だから、この主人公の竈門炭治郎は、自分が倒した鬼達にも慈悲の心で受け止め、今度生まれてくるときには、鬼などにならなくてもいい人生を送れるようにと願うんです。
悪いことをした鬼は、しかるべき裁きを受ける。
しかし・・・
罪を償った後には、もう一度幸せが訪れることを、この物語では願っているんですね。
その本編ではない裏のストーリーは、心に響くものがたくさんあるんです。
このあたりは、この作者は女性なんですが、女性の視点から描いた男性漫画だから、普通の男性向けの漫画とは一味違った切り口があるのかなとも思いました。
また、このお話では、家族愛や仲間意識、そして自分の未来をつかむ為の強い意識など、様々な教えがちりばめられていると思います。
もちろん、そのメッセージは、読む人の状況によって変わるもので、全ての人が同じメッセージを受け取っているわけではないと思いますが、読む人に必要な様々なメッセージが込められているなと感じます。
そして、感動のラストシーン。
もちろん、エンディングにたどり着くまでにも、数々の感動がありました。
もちろん、悲しみも。
涙がぽろぽろと出てしまうような場面もたくさんあるんです。
描写がえげつなく、ちょっと目を背けたくなるような場面もありますけど。
心に訴えかけてくるような話の展開が、色々な場面で出てくるんです。
涙を吹きながら・・・
次の展開に、はらはらドキドキしながら読み進み、いよいよクライマックスにたどり着くと・・・。
もうそこには感動の嵐でした。
はっきり言います。
最後はハッピーエンドです。
でも、そのハッピーエンドへの展開が、これまた今までのヒーロー者の漫画とはちょっと違うかな・・と。
ま、どんな展開なのかを話してしまうと、読む楽しみがなくなってしまうので、そこらへんはひかえておきますがね。
もう楽しみで仕方ないです。
で
も・・・
テレビアニメ化を待つまでの間に、是非、コミックスで読んで見ると、テレビアニメの見方もまた変わるかもしれません。
人が切られたり、鬼に食べられたり・・・
たくさんの方が死んでしまう場面がたくさん出てくる漫画だけに、実は、私も息子に見せるのはどうかなと感じていました。
しかし、自分でこのお話を読み終えてみると、確かに描写的な部分であるとか、簡単に人が殺されてしまうところがたくさんでてくるところなど、全てが褒められる展開ではないのですが、この話の奥に隠されたメッセージをたくさんの人が受け取ってくださり、それぞれの人生に役立ててくれた素敵だなと思い、今回ご紹介することにしました。
まだ、「鬼滅の刃」を読んでいないよ・・・と言う方。
是非、一度、この本を手にしてみてください。