アドセンス

2021年3月11日木曜日

鬼滅の刃ーコミックスー

今回、是非皆さんにご紹介したい本は・・・漫画です。 そう漫画本です。 いわゆる「コミックス」ってやつですね。 それも・・・ 最近まで映画で話題を呼んでいた「鬼滅の刃」です。
全23巻の長編(でも、最近はもっと長い漫画がたくさん出ているので、あまり長編とは岩魚かもしれませんが・・・)アニメです。
ストーリーは、みなさんも良くご存知の通り、主人公の竈門炭治郎が、鬼にされた妹を助ける為に、人食い鬼を退治するというもの。 

 時は明治・・・・ 町には、鬼が人を襲い、その被害が広がる一方でありました。 

 実は、数百年前から人と尾にとの争いは続いていたのです。 

 そして、この鬼を退治するために組織されたのが「鬼殺隊」なんです。 

 もちろん、この「鬼殺隊」は、国が認めた公の団体ではありません。 

 いわゆる民間団体なんです。 しかし、この「鬼殺隊」の隊員は、特殊な呼吸法で、通常の人よりも高い身体機能を持ち、優れた剣術で鬼を退治していきます。 

 しかし・・ 鬼は、首を切らない限り、どんなに刀で切りつけても死にません。 いえ、すぐにその傷も癒えてしまいます。 

 しかし、「鬼殺隊」は、優れた能力を持っても、人間であることには変わりありません。

 鬼から受けた傷は、すぐには癒えません。 

 この鬼と「鬼殺隊」との戦いは、数百年間続いていたのです。 

 そして、舞台となる明治の時代に・・・・ 鬼によって殺された家族の悲しみを胸に、たった一人残った妹も鬼と化してしまった主人公・竈門炭治郎は、妹を元の人間に戻す為に、鬼と闘う決意をしました。 

 そして、厳しい修行を経て、特殊な呼吸法を身につけ、習った剣術で鬼に立ち向かいます。

 しかし、まだまだ未熟な竈門炭治郎は、鬼に苦しめられながらも、素晴らしい速さでその能力が開花され、鬼と戦うごとに能力が高まり、より強い鬼へと向っていくのです。 

 それと、竈門炭治郎を助ける素晴らしい仲間との絆。 

 鬼にされても、人の命を守る妹・・・・ そして、「鬼殺隊」の中でも特に優れた能力を持つ“柱”と呼ばれる人達に支えられ、鍛えられて、厳しい戦いを乗り越えていきます。 

 そして、この鬼の親玉との戦いが・・・・。 

 と、ストーリー的には、正義の味方が、苦戦しながらも悪を倒していくような展開なんですが、この話を是非多くの方に読んでいただきたいと私が思ったのは、この物語には、鬼にも人にも、その裏の物語があるということに着目しているお話だからなんです。

 悪役の鬼達も、実は鬼になるまでに、それはそれは切ない人生を歩んでいたんです。 

 だからといって、鬼になって、人を苦しめることが正当化されるわけではないことをこの物語では語っていますが、どの鬼達も、実は、もともとは普通の人間であり、苦しみの中から鬼になっていくストーリーも描かれているんですよ。 

 だから、この主人公の竈門炭治郎は、自分が倒した鬼達にも慈悲の心で受け止め、今度生まれてくるときには、鬼などにならなくてもいい人生を送れるようにと願うんです。 

 悪いことをした鬼は、しかるべき裁きを受ける。 

 しかし・・・ 罪を償った後には、もう一度幸せが訪れることを、この物語では願っているんですね。 

 その本編ではない裏のストーリーは、心に響くものがたくさんあるんです。 

 このあたりは、この作者は女性なんですが、女性の視点から描いた男性漫画だから、普通の男性向けの漫画とは一味違った切り口があるのかなとも思いました。

 また、このお話では、家族愛や仲間意識、そして自分の未来をつかむ為の強い意識など、様々な教えがちりばめられていると思います。 

 もちろん、そのメッセージは、読む人の状況によって変わるもので、全ての人が同じメッセージを受け取っているわけではないと思いますが、読む人に必要な様々なメッセージが込められているなと感じます。 

 そして、感動のラストシーン。 

 もちろん、エンディングにたどり着くまでにも、数々の感動がありました。 

 もちろん、悲しみも。 

 涙がぽろぽろと出てしまうような場面もたくさんあるんです。 

 描写がえげつなく、ちょっと目を背けたくなるような場面もありますけど。 

 心に訴えかけてくるような話の展開が、色々な場面で出てくるんです。 

 涙を吹きながら・・・ 次の展開に、はらはらドキドキしながら読み進み、いよいよクライマックスにたどり着くと・・・。 

 もうそこには感動の嵐でした。 

 はっきり言います。 

 最後はハッピーエンドです。 

 でも、そのハッピーエンドへの展開が、これまた今までのヒーロー者の漫画とはちょっと違うかな・・と。 

 ま、どんな展開なのかを話してしまうと、読む楽しみがなくなってしまうので、そこらへんはひかえておきますがね。 

 この「鬼滅の刃」は、コミックスの7巻ぐらいまでは、テレビアニメで放送され、
7巻と8巻の話を映画にして話題を呼びました。
そして、今年中には、この続きがテレビアニメ化されるとか。 

 もう楽しみで仕方ないです。 で

も・・・ テレビアニメ化を待つまでの間に、是非、コミックスで読んで見ると、テレビアニメの見方もまた変わるかもしれません。 

 人が切られたり、鬼に食べられたり・・・ たくさんの方が死んでしまう場面がたくさん出てくる漫画だけに、実は、私も息子に見せるのはどうかなと感じていました。 

 しかし、自分でこのお話を読み終えてみると、確かに描写的な部分であるとか、簡単に人が殺されてしまうところがたくさんでてくるところなど、全てが褒められる展開ではないのですが、この話の奥に隠されたメッセージをたくさんの人が受け取ってくださり、それぞれの人生に役立ててくれた素敵だなと思い、今回ご紹介することにしました。 

 まだ、「鬼滅の刃」を読んでいないよ・・・と言う方。 是非、一度、この本を手にしてみてください。





2021年1月28日木曜日

金融探偵

 今回ご紹介する作品は・・・


じゃじゃーん!!!!


それは・・・「金融探偵」です。



池井戸潤さんの作品で、


徳間文庫より発売されています。



















数々の評価を受けて・・・

池井戸潤さんと言えば、第44回江戸川乱歩賞を受賞。


その後、第136回直木賞候補、第28回吉川英治新人文学賞候補などなど、数々の賞にノミネートされている作家さんです。


また、銀行員と言うお堅い仕事をやめて作家になったという経歴もあり、その作品は、銀行などの金融関係のサスペンス物も数多く出版されています。


そして、この「金融探偵」は、2004年4月から、問題小説に掲載された7作品を収録した短編集です。












ちょっと変わった切り口


いわゆる推理小説言われるものは、私も大好きで、よく読むのですが、この池井戸潤さんの「金融探偵」は、ちょっと変わった切り口の作品でした。


主人公は、元銀行員で、その銀行が倒産するに当たり解雇され、無職となってしまいます。


そんな主人公に、アパートの大家さんが持ち込んだ相談事を解決したことがきっかけで、探偵を始めることになりました。


とはいえ、この主人公は、決して探偵にあこがれていたわけではなく、もちろん自分が探偵に向いているなんてこれっぽっちも思っていないんです。


しかし、大矢の娘さんに進められて探偵を始めました。


もちろん、探偵としてのノウハウも持っていませんし・・・・


だから、ご本人はハローワークに就活をしながら探偵事務所もささやかに・・・営業しているという感じ。


でも・・・


いざ、相談者から相談されると、ほっとくわけにはいかず、なんとか力になりたいと、、持てる知識を総動員して問題に取り組んでいきます。


その姿がいじらしんです。


とても好感が持てます。


サスペンス物・推理小説といいながらも、この物語は、この主人公の人生を垣間見る物語のように思えました。


また、他の探偵ものは、探偵業をすでに営んでいる主人公が難事件を解決するという展開がほとんどだと思いますが、この物語は、主人公は無色の元銀行員。


先にも述べたように、探偵業を営むために銀行を辞めたのではなく、銀行を解雇されて無色になり、求職活動をしながらも、なかなか次の就職先が見つからない、そんな生活の中で、たまたま探偵業まがいのことをし始めた・・・問設定。


この切り口は、なかなか珍しいと思いませんか。


そして、元銀行員の探偵という設定から、この物語の大半は、その事件を解決する糸口を、銀行員時代に培った経験を生かして見つけ出していきます。


それが、例えば・・・


家計簿だったり・・・


会社の裏帳簿だったり・・・


現金輸送車の運行システムだったり・・・


事件解決のヒントは、銀行員時代に体験したことが生かされています。


それは、この作者が、もともと銀行員であったという経験から考え出されたストーリなのでしょう。











推理小説らしからぬ展開


そして、この7「金融探偵」に限っては・・・なのかもしれませんが・・・


短編小説という事もあってか、推理小説の楽しみ方・・というよりも、普通の物語を読んでいるような楽しみ方になるのかなと。


と言うのも、私は・・ですが、推理小説を読むときに、いつも自分も一緒に事件の謎を解き明かしながら読んでいきます。


一つ事件の解決のための情報が入ると、そこから自分なりに推理をして、この後どんな展開になるのかを予想しながら読むんです。


しかし、この「金融探偵」は、事件解決のための情報、特に決定的な情報というのが、最後の種明かしの時まで出てこないんです。


ですから、いつも読みながら考える自分なりの推理とストーリーを組み立てることがしずらいんですね。


もちろん、これが長編小説であったら、きっと違った書き方になったのかもしれませんが・・・


しかし、この「金融探偵」では、自分なりの推理を楽しむという事ではなく、物語そのものを楽しむような読み方になりました。


それはそれで、この話はどうなるのかな???って、わくわくしながら読み進めたわけですけどね。












探偵らしくない探偵



この「金融探偵」を読んで、先にも書いたように、この主人公は探偵らしくない探偵なんです。


探偵としてのスキルも持ち合わせていない。


しかし、相談されると断れない。


一生懸命な姿に感動すら覚えました。


だから・・・


是非、この「金融探偵」さんを、私は、これからも応援したいと思います。

















2021年1月15日金曜日

探偵の探偵

 今回ご紹介する本は・・・


松岡圭祐作、



講談社文庫出版の



「探偵の探偵」です。













探偵のすべてを知りたいと、ある中堅調査会社に併設されている探偵養成所に入稿した一人の少女。


この少女は、過酷な過去を抱えていて、決して笑うことがないんです。


そして・・・「探偵にはなりたくない」という彼女の思いは・・・。


そんな彼女の希望をくみ、調査会社の社長は、彼女を探偵を探偵〝対探偵課”の探偵として抜擢します。


この少女が、悪事を働く探偵に立ち向かいます。


そして・・・・


この少女の過酷な過去が明かされる・・・その先にあるものは・・・


待望の描き下ろしシリーズの第一作目。










全体的に、スピード感のある作品です。


はらはら、ドキドキの展開は、読んでいるものを飽きさせることはありません。


それ以上に、この先、どんな展開が待っているのかと、もう止まらなくなります。


そして、この少女の隠された思いに触れると、涙が・・・。


通常のサスペンス物とは、一味違った切り口も、マンネリ化を感じさせない作風にしている一つかと思います。


サスペンスファンには、是非読んでい叩きたい作品です。














2021年1月6日水曜日

バーテミアス

 今回ご紹介する本は・・・

「バーテミアス」です。


以前、というか、このブログで最初にご紹介したハリーポッターとの出会いで、私はファンタジーの世界にはまりました。

ハリーポッターを読み終えた後、もっとファンタジーの世界に浸りたいと思い、探して見つけたのがこの「バーテミアス」でした。

ジョナサン・ストラウド原作、金原瑞人・松山美穂・・・訳。


理論社出版。


文庫本ではなく、ハードカバーの本で、読みごたえは満点です。

本になれていない方には、「えーこんなに長いの???」と思われるかもしれませんが・・・・

読み始めると、これもまたはまってしまいますよ。











「サマルカンドの秘宝」

この「バーテミアス」は、全部で3巻もの。

その初刊が、この「サマルカンドの秘宝」なんです。


プラハの時代が去り、魔術の中心はロンドンにうつったころ・・・

魔術師たちが政府の重要なポストを占め、帝国を牛耳っていました。

魔術師たちは、マづしい家の子供を弟子にとり、悪魔を思いのままに操る技を、歳月をかけて叩き込んでいました。

子供たちは、親も生まれた時の名も捨て、帝国に貢献できる日のために、ひたすら修行に励んでいました。

そんな時代に、一人の少年が、師匠に隠れて、寝室の床にペンタクルを描き、悪魔を召喚しようとしていました。

この少年・・・ナサニエルは、自分を辱めたエリート魔術師に復讐をしようと、バーテミアスという悪魔を、師匠に隠れて召喚してしまいました。

この悪魔・・・バーテミアスは、御年5010才。

最高ランクではありませんが、由緒正しきベテランの妖霊。

まだまだ未熟なナサニエルは、海千山千の悪魔バーテミアスをロンドンの街へ召し出してしまいました。

そして・・・

曲者バーテミアス。

素直に、この未熟な魔法使いの言いなりにはなりません。

ナサニエルは、このバーテミアスをうまくコントロールできるのか・・・。

このコンビが、この物語の主人公なんです。

この未熟な魔法使いと、わがままな悪魔のコンビが、様々なトラブルを起こしつつも、人々の暮らしを守っていく・・・そんなお話です。











「ゴーレムの眼」


そして第2巻が「ゴーレムの眼」。


時は流れ、ナサニエルは14歳。

前作の「サマルカンドの秘宝」事件で手柄をたてたナサニエルは、若きエリート魔術師として登場。

「サマルカンドの秘宝」事件より2年の時が過ぎたロンドンが舞台。

街は、度重なる爆破事件で悩まされていました。

若きエリート魔術師であるナサニエルが、この事件の捜査に乗り出します。

この事件は、魔術師の支配に抵抗するレジスタンスの仕業か?

首謀者と思しきは、不思議な力を持つ少女キティとその仲間。

魔術師に恨みを持つ彼らは、墓地に眠る「グランドストーンの杖」を狙っている。

妖霊を操り、夜の街をパトロールするナサニエル。

しかし・・・

頼れる妖霊がいない・・・。

ナサニエルは、再び、バーテミアスを召喚します。

一方で、何者かが、土くれの巨人ゴーレムの目に呪文を吹き込み復活させてしまいました。

凶悪な化け物がロンドンの街を端開始し始めてしまいました。

ナサニエルとバーテミアスは、再び、このロンドンの街を守るために戦いを挑みます!!!












「ブトレマイオスの門」


そして最終巻となる「ブトレマイオスの門」。


「サマルカンドの秘宝」事件・「ゴーレムの眼」事件で活躍をしたジョン・マンドレイクことナサニエルは、情報大臣に昇格し、政府の容認らしい振る舞いも身に着けていきました。

しかし、あの「ゴーレムの眼」事件で自分を救うために死んだキティという少女の事がわすれられません。

ところが・・・

あのキティは生きていた???キティは、ロンドンの街の変わり者の魔術師の屋敷で働きながら「ブトレマイオスの門」という本からヒントを得て、ある計画を着々と進めていたんです。

その計画とは;・・・・。

そして、ナサニエルに召喚してもらえなくなったバーテミアスは・・・。

ある日、初めての人に召喚されました。

その人とは・・・・

ナサニエルとバーテミアスのコンビが、最終巻でも大活躍。

そして、最後は・・・・

もう涙なくしては読めない結末。

3巻を読み終えたからこそ得られるこの感動。

もう、読み始めたら止まらない。











ハリーポッター以上の面白さ・・・・


この「バーテミアス」は、イギリスでは、ハリーポッター以上の面白さと大好評で、ハリーポッターを抜いて堂々の第一位に。

そして、アメリカでは映画化され、世界31か国で出版されるほどの人気。

ファンタジーファンなら、この「バーテミアス」を読まずにはいられないはず。

あなたも、この本のとりこになりますよ・・・きっと。

是非、手に取ってみて下さいね。




















2020年12月28日月曜日

男鹿・角館 殺しのスパン

今回ご紹介する本は・・・

私の好きな西村京太郎さんのサスペンス物。

「男鹿・角館 殺しのスパン」です。




西村京太郎さんの作品は、サスペンスとしての面白さに加えて、日本中を舞台として描いているので、自分も日本中を旅して歩いているような気分にさせてくれるところかとも思います。




特に、とラベルミステリーの第一人者と呼ばれるだけに、電車を使った舞台背景の描写は上手いと思います。

自分で読んだ作品の舞台となったところには、一度は行ってみたいなと思わせられますからね。










生まれ故郷で悲しい出来事が・・・

事件は、東京のある街の小さな商店街にある焼き鳥屋の2階で、鬼の面をつけ、なまはげの扮装をした死体が発見されることから始まります。

その死体は、秋田県は男鹿出身である店主とは別人でありました。

なぜ、そこに見知らぬ男が死体となっていたのか?

また、なぜ、鬼のお面をつけ、なまはげの扮装をして殺されていたのか?

事件を追いかけるのは、ご存知、西村京太郎さんの作品でもっとも優秀な刑事である、東京は警視庁の捜査一課に所青くする十津川警部と亀井刑事。

店の店主の行方を追って、二人は秋田県男鹿へと向います。

しかし・・・

その間に、またまた東京で殺人事件が・・・・。

しかも、この死体にも鬼の面が・・・。

殺されたのは、やはり秋田県の出身者。

しかし、男鹿ではなく角館の出身。

この二つの事件は繋がっているのか????

十津川警部と亀井刑事の推理が事件の謎に迫ります。

しかし・・・・



煮え切らない展開


今回の作品では、十津川警部と亀井刑事の推理が展開されているにもかかわらず、その証拠となる事実が浮かび上がってきません。

焼き鳥屋の店主と第二の殺人事件の被害者の身辺を探っていくうちに、ある推理が浮かび上がってきました。

しかし・・・

推理はできても、その確証たる証拠がない。

いくら調べても、証拠が出でこない。

今回の作品は、最後の最後まで、このような展開が続いています。

犯人と思しき人物はいるのだが、証拠がない。

その為、何度も犯人らしき人物に十津川警部と亀井刑事は揺さぶりをかけるが、尻尾は出さない。

焦る二人を横目に、事件は意外な方向へ展開していきます。





被害者の娘が・・・・


ここで登場したのが、第二の殺人事件で被害者である男性の娘。

この娘が、父親がなぜ殺されたのか?

また、父親が、娘のために残していった大金はどのようにして手に入れたのか?

疑問に思った娘が、男鹿と角館を周り、事件の真相を探ります。

そして、また新たな事件に巻き込まれてしまいます。

しかし、十津川警部と亀井刑事は証拠をつかめずに時間ばかりが過ぎていきます。

そして迎えたクライマックスは・・・




ちょっと期待はずれの結末


小説は、フィクション物意外は、想像の世界で描かれたもので、架空の世界が描かれているものです。

推理小説もしかり。

決して実際の事件を書いているのではないのです。

しかし・・・

ファンタジー物であるならば、現実離れした内容でも楽しめると思いますが、サスペンス物は、やはり「これ本当にありそうな事件・・・」と言うのが前提としてないと楽しめないと思うんです。

いかにも作り物の世界で描かれたサスペンスでは、その世界になかなかのめりこむことができないかなって思います。

今回の、この西村京太郎さんの作品も、全体を通しては、実際にありそうなお話です。

西村京太郎さんの作品は、どれも、実際に起こったお話かな????

と思わせてくれるほどリアリティーにあふれているなと、いつも思いながら読んでいるんです。

しかし・・・しかし・・・しかし・・・

今回のこの作品は、結末がちょっと・・・。

と言うのは、こんな結末あるか???と思ってしまうような展開なんですよ。

先にも書かせてもらいましたが、今回の作品は、本当に、結末まで、十津川警部と亀井刑事は、推理と創造の世界から出ることができないんです。

証拠をまったくつかめなかったんです。

そんな状態で、もう物語りも終盤を迎えると、どうやって結末を締めくくるのかと気になっていました。

しかし・・・・

予想を反した展開で、結末を迎えたんです。

その予想の反し方が、いい反し方ならば嬉しいんですが、ちょっと疑問の残る締めくくりだったんですよ。

実際に、こんなことあるか???って、思ってしまうような結末だったんです。

ちょっと、そこが残念だったかなと思いました。

ただし、これは、私の個人的な感想なので、読み手によって、ここの捕らえ方は変わるかもしれません。

是非、あなたはこの結末をどう感じたのか?

聞かせていただきたいなと思います。

どんな結末????

と思われた方は、是非、この「男鹿・角館 殺しのスパン」を手にとって見てくださいね。

最後になりましたが・・・・

ちょっと批判的な文章で終わりにしてしまった今回の観想ですが、それでも、私は西村京太郎さんの作品が大好きです。

十津川警部と亀井刑事の大ファンなんです。

間違いなく、これからも、西村京太郎ワールドのとりことなり、読み続けていくことは変わらないと思います。

そして、今回の感想が、西村京太郎さんへの批判ではないことをここに記させていただいて、今回の締めとさせていただきます。























2020年12月23日水曜日

まほろ駅前 多田便利軒

 なにやら怪しげなタイトル・・・「まほろ駅前 多田便利軒」


これ何???

って感じのタイトルですよね。

けれど・・・

知る人ぞ知るこのタイトル。

あの、三浦しをんさんの作品で、大135回直木賞受賞作品なんですよ!!!



テレビドラマ化もされました。(まほろ駅前番外地)



なので、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その「まほろ駅前 多田便利軒」を、今回はご紹介します。








トタバタコンビ


このお話は、東京のはずれに位置する都南西部最大の街であるまほろ市がその舞台となっています。

そのまほろ市の駅前で、ひっそりと便利屋を営む多田啓介。

かれが、このお話の主人公。

そして、もう一人・・・

ある日、突然、この便利屋に転がり込んできた、高校の時の同級生の行天晴彦。

このドタバラコンビが、このまほろ市を舞台に繰り広げるドラマが、このお話なんです。



当たり前の仕事が????


この多田便利軒と称する便利屋には、ペットの預かりや塾の送迎、納屋の整理etc・・・

ありふれた仕事の依頼が来るんです。

しかし・・・

ありふれた依頼のはずが、このコンビにかかると、なぜかありふれた依頼じゃなくなるんですよ。

なに???

って思われた方。

もうこれ以上、このブログを読まずに、本屋さんに行きましょう。

そして、この「まほろ駅前 多田便利軒」を手にしてみましょう!

へーと思われた方は・・・・

もう少しお付き合い下さい。



小学生のアルバイト・・


小学生の塾の送り迎えの依頼も・・・

その小学生はただの小学生ではなかった。

なにやらきな臭いアルバイトを・・・。

え???

小学生でしょ!

そこが盲点なんです。

小学生が、まさかそんなことを・・・と思うようなことをしていたんですよ。

しかも・・・法に触れるような、きな臭い展開に。

その小学生を守る為、頼まれていもいないことまで、この二人は手を出してしまうんです。

それだけ、熱いんですよ・・・思いが。

普段は、しらけた若者ですが・・・

しかし、心の中には熱い思いがあふれているんです。

そして、人情にあふれている。

そんな二人ですから、ただただ依頼をこなすだけではないんですね。

見て見ぬ振りはできないものなんです。

もう、まっすぐに向っていってしまうんです。

そんな、熱い二人の思いを描いた、この作品。

短編集のように、短いお話がいくつか入っているのですが、その中身は、みな繋がっているんです。

そして、読み終えると・・・一つのストーリーが出来上がっている!

まさに、三浦しをんマジックにはまってしまったような読み応え。

テレビで見た人も、診ていない人も・・・

是非、この作品を読んでみてください。

こんな若者が、近くにいてくれたら・・・

そんな気持ちに慣れるかも!!!







2020年12月14日月曜日

ドランゴンフライ

 今回ご紹介する本は・・・


「ドラゴンフライ」











河合莞爾作









角川文庫出版の文庫本です。









まず、私がこの本を読んでみようと思ったのはこのタイトルでした。


「ドラゴンフライ」









どんな意味があるのかわかりませんでしたが、“ドラゴン”の言葉に惹かれたんです。


私は龍が大好き、龍使いになりたいと思っているんです。


龍に関するグッズも集めています。


そんな私は、この“ドラゴン”というタイトルに惹かれました。


が・・・


読んでみて気がついたのですが、この本は“ドラゴン”とうたっていても、龍とは全く関係ありませんでした。


では・・・


この「ドラゴンフライ」とは・・・ 


なんと、トンボのことだそうです。


“ドラゴン”は、もちろん龍を意味するのですが、西洋では、“ドラゴン”は忌み嫌われる存在で、不吉な等という意味にも使われるとか。


“フライ”は、蠅の意味ですが、講義では飛ぶ虫を総称して“フライ”と言うそうです。


ですから、蝶は“バタフライ”(バターのような排泄物を出す、飛ぶ虫・・・と言う意味)とか、蛍は“ファイヤーフライ”(燃えて飛ぶ虫と言う意味)などなど。


ならば、“ドラゴンフライト”とは・・・


直訳すれば「鬼蠅」とか「不吉な飛ぶ虫」とかと言う意味になるそうでうすよ。


その“ドラゴンフライ”がタイトルになった、サスペンス・・・推理小説をご紹介しますね。







不吉な死体から広がる“トンボ”のつながり・・・


まず、このお話は、群馬県の奥地にある小さな村が、その舞台となるんです。


その村は、ダム建設のために、ダムのそこに沈んでしまうんですね。


そこで暮らしていた村の青年が、東京都の多摩川の河川敷でしたいとしてへっけんされたことから、この事件は始まります。


が・・・


その前に、不思議なプロローグがあるんです。


東京出暮らす男性が、ゴルフの帰りに、ある山奥で、自分が住む街とそっくり同じ町並みを見つけるんです。


このプロローグが、いったいこのストーリーとどう繋がるのか・・・・?


最後まで読むと「なるほど・・・」と納得できるのですが、それまでは、なんであんなプロローグが書かれているのか不思議なくらいでした。


事件が発覚後、死体の身元を調べることと同時に、悲惨な殺害方法の理由が焦点となります。


そして、その事件の裏には、悲しい事実が隠されていたのです。



二転三転・・・・


今回ご紹介している、この「ドラゴンフライ」という推理小説は、本当に読み応えがあります。


実は、この本、私は手に入れてから、ずいぶん時間が経っているのですね。


と言うのは、この本、以前に一度読み始めたのですが、読み始めの段階で、このストーリー性がつかめず、あまり興味をそそられなかったんです。


で、少し読み進めたところで、1度読むのを止めて、別の本を読み始めてしまったんですよ。


もちろん、別に興味のある本が手に入ったので、その時はそちらを優先したのですが、今回は、ちょっと読みきるのが大変かも・・・という、でも頑張って読みきろう・・・と言う決意を持って、再度この本を手にしたんです。


そうしたら・・・


プロローグの時点で、あまり興味を持てなかったこの本ですが、本題に入ると、実はものすごく興味をそそられる展開でした。


私は、推理小説を読むときは、自分も掲示になったつもりで、そのお話の中に出てくる情報を元に、自分なりに犯人や事件の全貌を想像しながら読み進めていくんですね。


そして、自分の推理が正しかったかどうかなど、ただストーリーを読むだけではなく、自分も参加する楽しさを感じているんです。


この「ドラゴンフライ」でも、同じように、情報を元に、自分なりに推理を進めながら読み進めていくのですが・・・・


この本は奥が深い。


よく、推理小説だと、初めに得た情報が間違えであったり、途中で急に変わってしまったりして、その為にストーリーが急展開するような話の作り方はよくあります。


その場合は、それまで組み立ててきた推理が、全く意味しなくなってしまうんですよ。


だって、誤った情報から推理しているわけですからね。


しかし・・・


この「ドラゴンフライ」では、情報は正しいのです。


しかし・・・


その裏に隠された事実がすごい。


だから、犯人を追い詰めるまでもう一歩と言うところまでくると、突然新たな展開が顕われるんです。


しかし・・・


その新たな展開の根底には、やはり今まで得てきた情報がしっかりと根付いているんですよ。


今まで得た情報や推理に、新たな情報が加わると、その展開が大きく変化して行くんです。


もう、途中から、この話はどっちに進んでいくのか見当がつかなくなるほど。


それだからこそ、先が気になってしょうがないんですよ。


540ページにも及ぶ長編サスペンスですが、その量を感じさせない運びは、すごいと思いました。



悲しい真実


しかし・・・


謎が一つ解き明かされるごとに、悲しい過去の出来事が掘り返され、そして事件の背景にある悲しい事実が浮き彫りとなるんです。


その事実を隠す為に・・・・


そして、人を思いやる熱い思いが、新たな事件を引き起こしていく。


最後は、もう涙が出てきてしまいますよ。


こんな悲しい事件が合っていのだろうかと。


そして・・・


私的に不満なのは、本当に悪いやつらは、この話では罪の償いがなされないのですよ。


もちろん、ここにかかれていない裏では、社会的な制裁を受けたのかもしれませんが、このストーリーの中では、そのことについては一切振れていないのです。


事実は事実として受け止めなければならない。


しかし、その事実の陰に隠れた、本当の“悪”は????


そんな疑問が残されたのも事実です。


このストーリーの中では、社会的な“悪”に対して、だれも制裁を加えてはいません。


しかし・・・


この筆者は、ところどころで、現実社会の実情と、その“悪”について、買っているように思いました。


本当に悪いのはだれなのか???


そんなことを考えさせられる、そんな本編でした。


推理小説の好きな方にはもちろんですが、ダム建設などの社会的問題について気興味を持っていらっしゃる方にも、是非読んでいただきたい内容です。


興味のある方は、是非この本を手にとって見てください。









鬼滅の刃ーコミックスー

今回、是非皆さんにご紹介したい本は・・・漫画です。 そう漫画本です。 いわゆる「コミックス」ってやつですね。 それも・・・ 最近まで映画で話題を呼んでいた「鬼滅の刃」です。 全23巻の長編(でも、最近はもっと長い漫画がたくさん出ているので、あまり長編とは岩魚かもしれ...